東京工業大学発ベンチャー企業 株式会社プラズマコンセプト東京と株式会社サンラインは、大気圧低温プラズマを使ったナイロン繊維の耐水化・耐薬品化加工技術を共同開発いたしました。今後は、耐水化や耐薬品化を要望されている繊維素材分野での用途拡大が期待されます。
大気圧低温プラズマによって高い活性力を持つ活性種を生成することで、高速かつ連続処理でナイロン繊維を表面改質し、耐水性や耐薬品性を格段に向上させることに成功しました。釣り糸製造で培った低温プラズマ処理技術を発展させることで、ナイロン繊維を熱劣化させることなく、耐水性や耐薬品性などの表面特性を持つナイロン繊維の製造が可能となりました。
同技術による耐水性向上処理では6時間水中浸漬後の吸水率を従来の約30%に低減する事に成功しました。耐薬品性向上処理ではナイロンを溶解するギ酸(88%)や濃硫酸に5分間接触させても、繊維が溶解しませんでした。
同技術は、耐水性が要求される屋外資材や、耐薬品性が要求される自動車部材などに、当該処理を施すことで耐久性向上が期待されます。
今後はナイロン繊維以外への表面改質の応用や、移動体の軽量化による省エネルギー素材として注目されている炭素繊維、アラミドなどの比強度、比弾性率の高い高性能繊維の表面改質(特に接着性改善など)への展開が期待されます。
*代表的な特許番号(一部) 特許第5946119号/特許第6089378号/特許第6224139号/特許第4611409号
記事掲載例 日経XTECH https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/01189/