2021.10.29
ポリエチレンの接着改善
ポリエチレンは耐薬品性に優れる反面、接着が難しい素材です。
接着が難しい理由の1つとして、官能基(化学結合に関与する化学構造)がないことが挙げられます。
図1.ポリエチレンの化学構造
一般的に、接着剤は「極性」を持っています。
この極性によって、物質同士を引き付け合います。
ポリエチレンには「極性」を示持つ「官能基」がないため
一般的な接着剤では接着することができません。
図2.ポリエチレンの化学構造のイメージ図
ポリエチレンには官能基=接着剤と結びつく手がないため
一般的な接着剤では接着できません。
ポリエチレンの表面を大気圧プラズマ処理することで
表面の油脂分を精密に除去したり
表面に「官能基」を生成したりすることができます。
図3.ポリエチレンの化学構造のイメージ図(プラズマ処理面)
プラズマ処理によって生成した「官能基」によって
ポリエチレンと接着剤は化学的に結合し
接着することができます。
図4.プラズマ処理面と接着剤の化学結合のイメージ
プラズマ処理したポリエチレンは未処理のポリエチレンに比べ
約4倍~9倍もの接着強度をもつことがわかっています。
図5.ポリエチレン樹脂の接着強度比較(せん断)
※実験データは一例です