ポリプロピレン(PP)のプラズマ処理事例 | CASE | 大気圧プラズマ事業サービスサイト:サンライン

2021.09.27

ポリプロピレン(PP)のプラズマ処理事例

ポリプロプレン(PP)の使用範囲は非常に幅広く、最も多く使用されているプラスチック素材の一つです。

工業用用途しては、医療機器自動車建築・建設資材の材料としても活躍しています。

また、家電製品玩具スポーツ用品といった一般家庭で使用される製品のほか、速乾性の特長を活かして衣類カーペットなど繊維製品にも多く用いられています。

更には、透明・光沢・耐熱・優れた衛生性などの特長を活かして、フィルムシート不織布としても広く利用されています。

こうした幅広い用途の理由は、ポリプロピレンが数ある熱可塑性樹脂の中でも、密度(0.9g/立方cm)が低く軽量で、加工性が高い上に、優れた強度を保有しているからです。

今では、ポリプロピレンの生産量は全世界で約62.052千トンあり、国内だけでも総需要は230万トンです。

 

ポリプロピレンは、「ポリオレフィン系」のプラスチック素材とされ、特徴として『疎水性』や『非粘着性』があります。

しかし この特徴から、接着や塗装といった表面に別の物質をくっつけることが困難な素材とされています。

 

弊社の大気圧マルチプラズマガスを利用すれば、ポリプロピレンの表面を改質することが可能です。

ポリプロピレンに大気圧プラズマガスを照射すると、水との馴染みは各段に向上します。

 

▼写真.ポリプロピレンへのプラズマ照射の様子

 

 

▼写真.濡れ性の改善結果

▼写真.プラズマ処理前の様子

▼写真.プラズマ処理後の様子

 

ポリプロピレンは表面自由エネルギーが低く離型性が高いですが、大気圧プラズマを照射すれば接着性も改善できます。

 

 

▼写真.プラズマ未処理の接着層断面図のSEM(電子顕微鏡)画像

 

▼写真.プラズマ処理後の接着層断面図のSEM(電子顕微鏡)画像

 

ポリプロピレンの融点は、160度前後とされています。弊社の温度制御プラズマを用いれば、融点が低い・熱の影響を受け易い高分子材料にもプラズマ処理が可能となります。