2021.09.13
コットンのプラズマ処理事例(撥水化)
コットンは天然素材の一種で、肌に優しく吸水性が高いというメリットがあります。
しかし、使用用途によって高い吸水性がデメリットになることもあります。
そこで、コットンへプラズマ照射し、表面を撥水化しました。
繊維の多くの撥水化プロセスでは、一般的に多量の撥水剤や熱を使用しますが、
プラズマ処理は、ガスだけで物質の性質を変化させたり、あるいは撥水剤の使用量を大幅に削減することが期待できるため
作業環境・自然環境にやさしい技術です。
▼写真.コットンへのプラズマ照射の様子
気体をさらに加熱すると「電離状態」になり、これを「プラズマ」といいます。
そのため、一般的にはプラズマの温度は数1000℃に及びます。
弊社は、低温プラズマと呼ばれる、気体やイオンの温度を室温程度にコントロールする技術を保有しています。
低温プラズマを用いれば、コットンが燃え出すことなく、プラズマを処理することができます。
▼写真.コットンに水をかけた状態(未処理)
▼写真.コットンに水をかけた状態(プラズマ撥水化処理)
大気圧低温プラズマを利用すれば、物質の表面改質や、クリーニングをすることができます。
表面改質では、表面を撥水化させたり、親水化させたり、あるいは薬剤を均一に付与したり、薬剤の使用量を削減することが期待できます。
クリーニングでは、有機溶剤を用いた洗浄の代替処理として、作業環境・自然環境にやさしい工程を実現することが期待できます。