2021.07.19
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)の表面改質
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)はフッ素系重合体のエンジニアリングプラスチックの1種類で、水処理のフィルターや超純水用の配管、リチウムイオン電池のバインダーやセパレーター保護などに多く使用されています。
釣り糸では、PVDFを熱で溶かして糸化(溶融紡糸)する製法で作られるモノフィラメントが使用されており、通称「フロロカーボン」として知られています。
PVDFは熱可塑樹脂のため加工性に優れ、フッ素樹脂の特徴である耐薬品性・離型性(非粘着性)を持っています。
耐薬品性や離型性に優れる反面、接着などの後加工が難しい樹脂でもあります。
大気圧プラズマを処理すれば、PVDFの表面を高速で改質し、濡れ性や接着性などを向上することが期待できます。
弊社の大気圧プラズマ技術では、放電損傷や熱による劣化が生じないため、フッ素樹脂のバルクの物性(強伸度・耐薬品性・耐候性など)を損なうことなく、表面のみ改質することが可能です。
▼写真.PVDF繊維の表面改質事例(上:未処理, 下:プラズマ処理)
▼写真.PVDF繊維の表面改質事例(左:未処理, 右:プラズマ処理)
弊社では、1989年からPVDFの溶融紡糸技術を開発し、ノウハウ・製造ラインを保有しています。
2015年には、同工場で製造した繊維を連続的に表面改質する技術を確立し、製品を上市しました。
弊社では、PVDFはじめさまざまなフッ素樹脂への大気圧プラズマ処理実験のご相談を承ってございます。
ぜひ、お気軽にお問合せください。