2023.05.13
遠隔プラズマ処理を実現する超音速プラズマ
従来の大気圧リモートプラズマにおいて、プラズマ発生部で生成された大気圧プラズマは、短時間のうちに活性が失われていきます。
すなわち、プラズマ発生部から遠ざかるほどプラズマ処理の効果が低下する傾向があり、十分なプラズマ処理の効果を得るためには、プラズマ処理対象物の表面とプラズマ発生部との距離(プラズマ照射距離)を数mm以内と近接することが望ましいケースがよくあります。
超音速プラズマでは、プラズマ発生部で生成された大気圧プラズマを、超音速のパルスジェットをキャリアとして輸送することで、活性が失われる前にプラズマ処理対象物の表面まで届けることができます。
写真.超音速プラズマの長く伸びるプラズマの様子
高密度で高活性な大気圧プラズマを長距離輸送することができるため、プラズマ発生用ノズルを接近できない設置環境や、表面が凹凸形状のプラズマ処理対象物、従来の大気圧リモートプラズマに比べ、遠隔の対象物へもプラズマ処理の効果を得る事が可能となりました。
また、従来の大気圧リモートプラズマに比べ、同じプラズマ照射距離では高活性なプラズマを照射することができるため、プラズマ処理を高速化する事が期待できます。
さらに、長距離な大気圧プラズマでありながらも、超音速のパルスジェットのため常時大量のガスを必要としません。大気圧プラズマを生成するのに必要なガス消費量を節約することができるため、ランニングコストの削減を実現します。
※本技術は2020年に東京大学で基礎開発された技術です。(科研費17K17710)
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