2022.08.17
チューブ内壁のプラズマ処理
プラズマ処理によるチューブ内壁処理の様子と効果をご紹介します。
実験では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のチューブの内壁をプラズマ処理しました。
プラズマ処理によって、チューブ内壁の濡れ性が向上し、親水化しました。
PTFEは、フッ素樹脂から成るエンジニアリングプラスチックの1種で、
デュポン社によって「テフロン」という商品名で発売されたことにより
テフロンの名でもよく知られている樹脂です。
PTFEは、化学式 (C2F4)nで表され、
炭素原糸(C)をフッ素原糸(F)が覆うような螺旋状の分子構造であるため
耐熱性・耐腐食性・耐摩耗性に極めて優れた特性を持っています。
PTFEチューブは、耐食性に優れた配管材として、半導体製造装置や医療機器、食品製造装置などの薬液移送等に広く利用されています。
PTFEチューブは内壁の疎水性が高いために、例えば送液中に、内壁に気泡が付着するなどの課題がありました。
実験では、PTFEチューブの内壁をプラズマ処理することに成功し、内壁の濡れ性を向上することができました。
▼写真1.5本のチューブを同時にプラズマ処理した様子
▼写真2.5本のチューブを同時にプラズマ処理した様子(写真1とは異なるガス種)
未処理のPTFEチューブの内壁は高い疎水性(撥水・撥油性)のため、切り口を水中につけても毛管現象で水を吸い上げることはありません。
プラズマ処理したPTFEチューブの内壁は、濡れ性が向上しているため、切り口を水中につけると毛管現象で水を吸い上げることができます。
▼写真3.未処理(左)とプラズマ処理後(右)のPTFEチューブを水につけて引き上げる様子
プラズマ処理したPTFEチューブは、垂直に約3mmの水を吸上げることができ、濡れ性が3倍以上向上したことがわかります。
弊社のプラズマは、チューブの内壁や外壁、切断面など、様々な場所に対して
最も効率よく効果的にプラズマ処理する方法をご提案いたします。
どうぞお気軽にお問合せください。