2022.05.08

切り花の活性化

プラズマと植物

 

日本には四季を24等分して、さらに3つの期間に分けた『七十二候』という暦があります。
新緑が鮮やかに芽吹く3月末頃は「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」と呼ばれます。
この暦からもわかる通り、雷と植物の生長は、古くから関係が深いと言われています。

自然界にはたくさんのプラズマが存在します。
例えば「雷」は、自然界のプラズマの1つです。

古来より日本では「雷」の閃光を「稲妻」と呼びます。

雷がたくさん落ちる年は、稲が豊作になる、と言い伝えられてきました。


 

切り花の生け水をプラズマ処理する

 

大気圧プラズマは、従来の真空プラズマでは処理不可能である「水」をプラズマ処理することができます
大気圧プラズマを利用して、生け花の生け水をプラズマ処理しました。

生け水をプラズマ処理することで、水中の細菌を殺菌したり、有機物を分解したりすることが期待できます
さらに、当社の大気圧プラズマはあらゆるガスをプラズマ化することができるため、様々な活性種を効率よく生成することができます。従来のガスが限定的な大気圧プラズマ処理に比べ、プラズマ処理による化学反応の効率化や、従来のプラズマでは発現しなかった新しい効果が期待できます

 


 

切り花の外観の変化

 

大気圧プラズマ処理した生け水を用いて、生け花の外観の変化を観察しました。

実験では、(写真左から)Plasma A, B, C, 及びControl(未処理)を同時に比較しました。
Plasma A, B, Cは、それぞれプラズマのガス種の組成が異なり、それぞれ異なる活性種が水中に溶けていると考えれらます。

プラズマ処理は、切り花の外観を観察するタイミングで、30秒間行いました。
プラズマ処理を行った後、切り花を生け水にさして、23℃に調温された実験室内で、静置しました。

 

写真1.実験開始時(0日目)

写真2.4日目

写真3.7日目

写真4.11日目

Plasma Cは、ControlやPlasma A, Bに比べ、花弁の萎凋(いちょう)が少ないことがわかりました。

 

 


 

切り花の重量減少率の変化

 

切り花の状態を定量的に観察するために、切り花の重量減少率を測定しました。

 

写真5.重量測定の様子

 

グラフ.重量減少率の変化

 

切り花は枯れることによって水分率が低下するため、経過日数の増加に伴って重量が減少していきます。
Plasma A, B及びControlは、重量減少率の変化がほぼ同等でした。
Plasma Cは、Plasma A, B, Controlに比べ、重量減少率の変化が緩やかであることがわかりました。

 


 

実験動画「切り花×プラズマ」

 

YouTubeで実験の様子をご紹介しています。ぜひご覧ください。

 


植物への大気圧プラズマ利用の展望

 

ある特定の大気圧プラズマ処理条件で、切り花の萎凋(いちょう)を抑制することができました。


従来の薬品処理に比べ、薬品を使用しないプラズマ処理は極めて安全性が高く生け水への薬液残留の懸念がありません
さらに、薬品の輸送や保管する場所、使用済み薬品を処理する廃液が発生しないため、ランニングに係るコストを抑えることができます。
大気圧プラズマ処理は、離島や山間部などの遠隔地や、水資源の貴重な地域に於いても有効なプロセスです。

大気圧プラズマ処理によって植物を活性化することで、延命や鮮度保持が期待できます。
例えば、水耕栽培プラントへ利用することで、作物の生育を促進したり、収穫した作物の鮮度保持期間を延長したりすることで、栽培効率の向上や食品廃棄物の削減が期待できます。

 

弊社では、農業・食品産業における新しい大気圧プラズマ利用を共に創造していただけるパートナーを募集しています。
どうぞお気軽にお問合せください。