2021.12.27
「金属 × 水性インク × プラズマ」で耐久性向上
大気圧プラズマ処理をした金属は、水に馴染み易くなることはよく知られていますが、 あるプラズマ処理条件で金属表面をプラズマ処理することで、コットンで擦っても水性インクが落ちにくくなることがわかりました。
弊社の大気圧プラズマは、低温でダメージフリーのため、金属に穴があくことはありませんし、 表面が細かく荒れて外観を損なったり、感電したりすることもありません。
下の動画では、3種類の金属板に大気圧プラズマ処理をして、水性インクのペンで文字を書く様子をご紹介しています。
動画.金属 × 水性インク × プラズマ
本来、金属は水と馴染み易い素材です。
ところが、部屋に置いておくと空気中の油が、人が触ると指の油が付着して、水馴染みが悪くなってしまいます。
水馴染みが悪い表面に「水性インク」を塗っても「水性インク」を弾いてしまい、うまく塗ることができません。
また、ホワイトボードのイレーザーのように、「水性インク」で塗装した表面を擦ると、簡単に剥がれてしまったりします。
写真.金属表面の水性インクをコットンで擦った様子(上段:プラズマ処理、下段:未処理)
水を溶媒とする「水性インク」は、水との馴染みがよくない素材には適していません。
素材を選ぶ「水性インク」ですが、油性インクのように揮発性の有機溶剤を使用しない「水性インク」は、環境にやさしいインクとして、さまざまな分野で油性インクとの置換えが広まっています。
「水性インク」の加工性や密着性を少しでも改善するために、あらかじめ有機溶剤や薬品を使って表面を洗浄したり、表面を細かく荒したりなど、下地の工夫が必要です。
写真.アルミニウムの板に水性インクのペンで文字を書く様子